高知のてっぺんにアマゴを買いに行く

一か月前、子持ち鮎でお世話になっているカネミツ養鮎 内木社長から写真付きメールが届きました。
「アマゴの卵がとても美味しいんですけど、興味ありませんか?」
茶碗蒸しに入っている大粒の黄色いイクラが写っていました。
仁淀川町の片岡養魚場が卵を持っています。
早速調べてみると、「あ、知ってる!」

高知県・愛媛県境にそびえる中津明神山は標高1541mの独立峰で、山頂に大型のレーダードームがあることから、頂上まで自動車で上る事ができます。

近所に高い山が無く、民家も無いため、夜は星が降るような景色が広がるそうです。

麓には中津渓谷が有名です。

片岡養魚場は国道33号線から分岐して中津明神山頂までの道のり17.5㎞のうち、ほぼ中間の8.6㎞地点、標高642mにあります。

すぐ上には吾川スカイパーク(パラグライダー基地)があり、空に届きそうな立地だと分かります。
ちなみに、だいせんホワイトリゾート(スキー場)の標高が655m~1121mです。

本川手箱きじ生産企業組合で長居し過ぎましたので、急ぎ中津明神山を目指します。途中、日本三大酷道で知られる酷道439を通るので心配しましたが、ここの区間は快走路でした。

国道33号から大きく右折して県道363号(中津公園線)に入ります。1kmで中津渓谷ですがそのまま上がっていきます。

狭いので誰とも離合したくないのですが、意外に車とすれ違います。
ミラーを畳んだりしてギリギリです。

材木満載のダンプが二台下って来た時は絶望でした。(写真は帰路)

道路は「仁淀ブルー」で知られる仁淀川の上流部にあたる中津川沿いに上っていきます。片岡養魚場は仁淀ブルー源流域のまっさらな水を使ってアマゴを育てているのです。

今日は標高が高いところばかりで、春の再放送を見ている気分です。

正面に山頂=レーダードームを捉える。
目的地まであと750mです。

やっと到着ー!
県道から養殖池までは、急登から「へ」の字で急下り。
「車が下を向くまでは道路が見えないので気を付けてください」
電話で注意事項を聞いていたので事故らずに済みました。
「ちょっと待ってね」
玄関マットに消毒液を浸して足裏を洗浄したら敷地内に入ります。
「お伺いするのは初めてなんですけど、ここの看板よく知ってまして、ずっと取引したいと思ってたんです」

手前の池から稚魚。

左側の池には大きいの。



巨大なアマゴは採卵用。
アマゴは成魚を出荷するまで1年半ほど掛かるそうで、鮎が一年に二回作れるのと比べて生産性が低い。雉(200~250日)とブロイラー(50日)の関係性と似ている。
水質・水温管理が厳格で、台風の夜など、流れてきた枯れ葉が水の流れを堰き止めただけで全滅する。(※過去記事)
片岡養魚場は川上に民家がほぼなく、阿川スカイパークから山頂までの自然環境を考えると最上のコンディションと思えた。
アマゴのターゲット顧客や、成魚の売れ筋サイズを教えて頂いた。ほぼ予想通りだったが詳細に知れた。ここが分かれば話が早い。
成魚の次に稚魚を見せて頂いた。

片岡養魚場は稚魚に力を入れている。

生産者から話を聞くと納得であるが、全ての稚魚を成魚まで育てると池に入りきらないし、稚魚のうちに出荷出来れば餌代も少なくて済む。尾数が多いので重量単価が高く売れたりもする。

摘果をシロップ漬けにして売る若桃甘露煮と同じアイデアだ。

いよいよ黄金色のイクラが登場。

来るまでに日本料理店主などにヒアリングを繰り返したが、ほぼ知られていなかった。サイズの質問が多かったので定規を当てて写真を撮った。
アマゴ業者の生の声を聞けてとても勉強になりました。後継者不足などアマゴ養殖の廃業が多く、飲食店のアマゴ難民が増えつつあると思われます。商売となると値段や在庫、仕入れのタイムラグなどクリアしないといけない事が多いですが、早期に良いお知らせが出来るように急ぎ検討したいと思います。
